新基地建設を即時中止しろ!
ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)声明
2022年4月13日
4月8日、斎藤哲夫・国土交通相は、沖縄県名護市辺野古の新基地建設のために防衛省が提出した工事の設計変更申請を玉城デニー知事が不承認とした処分について「違法かつ不当」として取り消す裁決を出した。さらに20日までに設計変更を承認するように勧告した。
岸田内閣は、本来行政機関による私人に対する権利侵害を救済するための行政不服審査法を悪用して、防衛省が国交省に申し立てるという私人への「成り済まし」によってこの裁決を押し付けたのである。
防衛省が設計変更したのは、埋め立て予定の大浦湾の区域で「マヨネーズ」と言われる軟弱地盤が見つかったからである。沖縄県は最も深い90mに達する「B27」地点での地盤調査が行われていないことや、絶滅危惧種のジュゴンへの影響が適切に評価されていないことなどから不承認とした。
ところが国交相は「地盤改良事業は可能」とまともな科学的根拠もなしに断定して不当な裁決を下したのである。
4月1日に政府の地震調査委員会が南西諸島でマグニチュード8以上の巨大地震が起き得るという「長期評価」を公表した。「沖縄辺野古調査団」は防衛省の辺野古新基地の計画は中規模程度の「レベル1」で設計しているが、大規模地震は「レベル2」であるとして設計の全面的な見直しを政府に要求した。辺野古新基地は大規模地震に全く耐えられない構造なのだ。
辺野古新基地建設の推進は、対中国を口実にして沖縄・南西諸島のミサイル基地・軍事要塞化を進め、ウクライナ問題も利用しながら敵基地攻撃能力や核武装を狙った「核共有」で海外派兵と戦争の能力を強化し、憲法9条改悪を推進しようとする岸田内閣の戦争政策の一環である。
しかし、辺野古の現地で新基地建設を許さない市民の闘いは継続している。沖縄県は総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」への審査申し出や抗告訴訟で対抗するとされている。9月の県知事選挙に向けて、新基地建設に反対するデニー知事を支える取り組みが進んでいる。
私たちZENKOは辺野古新基地建設に反対する沖縄の人々と連帯する。そしてZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)の署名を広げ、5、6月に予定している沖縄・南西諸島の反基地闘争と連帯するスピーキングツアーを大きく広げることを呼びかける。